9年前のあなたへ
ようやく、自転車乗れるようになりました。
まだ公道は恐ろしくて走れませんが、箸を使ったり、ボタンをとめて服を着たりアタリマエのことができるようになってきました。
今のあなたには、いつもの景色がぼんやりと霞がかって見えていましたね。
俯瞰しどこかふわふわした自分。
そんな状態で、一足トビに月日を重ねたダウン症の小学生に会わせられ、成長は遅いけど、ほんと可愛いよという親御さんを奇異の目で見ていましたね。
今は今の思いを大切にしてください。
絶望し葛藤し揺れ動く感情に身をあずけることでしかできません。、それは決してあなたが冷徹なわけではありません。それしかあなたが生きる術はありません。
これから続く日々は、つつけばすぐに転ぶようなもろい日々かもしれません。
でも、これから目の前に起きる出来事に悩み、卑屈になり、笑う日々があなたの道になります。
今は上の子と同様に本当にかわいいです。これは本当です。今ならあの時の小学生の親御さんの言葉は素直に受け取れます。
ダウン症でよかったとはいいません。ダウン症児にしてはなかなかイケメンなのにおしいなあ。と思ったり、まあフツーの子育てしています。
いずれ彼は、世間からだんだんと隔絶した場所で生きていく人生を歩むのかもしれません。それでも彼の天真爛漫な笑顔を見ると、なんとかどこかで生きる場所が見つかるだろうと、最近は楽観的に考えています。将来の自分にそんな甘いもんじゃないよと言われそうですが・・・。
まあ、特別な感情もなくフツーの子育てしています。
それが一番の驚きかもしれませんね・・。
同級生
今日は職場(病院)で、同級生の子にあった。とはいえ初対面である。穏やかそうな両親に囲まれ、車椅子に座って苦しそうな呼吸をする女性。ひと目で、ああとわかる女性。
正直私は、年配のダウン症の方に生でお会いしたことがなかった。私が生きてきた時間と同じ時間を過ごしてきた女性。
どんな人生を過ごしてきたのだろう。そして今難病に侵され命の危機にある。うちの子もこうなるのか?なんとも言えないザワザワ感、不安感が久々に沸き起こる。
ご両親とは、いつもどおりの業務上の会話。しかし何時もより過敏に、ご両親の一挙手、一投足を追ってしまう。しかし何も違和感もない普通の佇まいに畏敬の念をいただいてしまう。
ご両親は軽くお辞儀をして、何事もなかったように(実際何もなかったのだが)帰っていった。何時もよりちょっと長く見送り何時もの業務に戻った日。
親より短命かも。とはなんとなく意識はあったが、まさにそれに近い事実に向き合う人に出会い、動揺したのは確か。
いつも出来事は、突然訪れる。そうだった。生まれた時も。それでも生きてきた。思いはぐるぐる回りながら。それが人生。何だ。普通の人生じゃないか。
勝手に自己解決。
自転車
自転車デビューである。家の中でストライダーを器用にあつかっていたので、コロ無しで乗せてみた。ペダルには足を置こうともせずストライダーと同じ感覚で乗り回している。バランス感覚はあるようなので、いずれペダルをこぐこともおぼえるだろう。
相変わらずおしっこはパンツにちょろりとすることが多く、注意したら顔をくしゃくしゃにしていじけて、自分でパンツとズボンを取りにいって履き替える。
彼にもプライドあるのね。でも自分で履き替えるのは進歩である。
学校も始まり相変わらず愛されパワーを発揮して、学校生活になじんでいるみたい。言葉も単語何個かははっきりと聞き取れるようになってきた。
まあ、妻の毎日の送り迎えは大変のようだ。自分で登下校できれば大きな進歩だが、またおいおい。
在宅
うちのちびさんは、めでたく4月に入学式のあと4日目から、在宅。コロナ騒動でさらに自由人としてすごしている。
半年前にトイレのあとにパンツを履こうと書いたが、相変わらず。
でもお手伝いは本当によくできる。
一緒に食事の片づけをして、夕食のあまりをタッパに詰めようとすると何も言わずに空のタッパをとってくる。料理をタッパにつめていると、冷蔵庫をあけて”はいっ”とうながす。食洗器に皿をつめると、洗剤を入れさせてくれとねだる。入れさせてあげると、自分で食洗器のスタートボタンを押す。
相変わらずうまくしゃべれないが、なんとなく韻を追った音にはなっている。
確かに普通の子では感動しないところで感動している。
小さなことに幸せを感じるのはよいこと。価値、生産性求めると苦しくなるが、幼稚園の先生にも、その笑顔で未来を切り開いていくでしょうとのこと。
それを信じるしかないもんね。
兄も最近は風呂掃除を自分の仕事として、普段のルーチンワークにしている。
大変な時期だが、たくましさを感じる。
でも本当に妻が、イライラしながらでもがんばってくれるからこそ、こうなっているのだろう。よく父親が子供は勝手に育つよということもあるが、影の努力を無視した戯言だろう。
他人の試行錯誤をすっとばして結果だけみて、できましたと自己満足のために周囲に言いふらしている理解の浅い同僚もいるがそうはなりたくないね。
しかしこれだけ休校が長引くと夏休みがなくなるな。夏の暑さの中の登下校がちょっと心配。ましてやマスクまでしてたら確実に熱中症。
心配はつきません。
特別支援学校
先日特別支援学校の学校見学に行ってきた。小学校から高校まで設置されており、正直カルチャーショックを受けてきた。でも実際に見れてよかったな。
小中はかなりの少数クラスでマンツーマンのクラスもあった。はたしてクラスといえるのやら。
それぞれの特性ということでそうなっているんだろうなあ。
どちらにせよ小学校から行かなくてもいずれ高等学校ではお世話になるはず。
妻との話し合いの結果、地元の小学校の特別支援学級がいいかなということになった。
どっちがいいというのもあるのかもしれないが、お互いの意見が一致したので良しとしている。
ランドセルも買ったし、あとはトイレ終了後のパンツ履きができるようになるかだな。
あと半年で小学生。がんばれよ。チビちゃん。